千葉市
「鍋具材」など野菜の価格高騰 異常気象、家計も直撃 関東農政局、11月見通し
今夏の猛暑や台風・塩害など異常気象により、関東農政局は、秋冬野菜の価格が上昇する見通しと発表した。全国有数の農産物産出を誇る千葉県で、出荷量の多いダイコンやニンジンなどの価格が上がり、ハクサイも高くなる見込み。鍋料理やおでんに欠かせない野菜の価格高騰は、家計を直撃。財布の中にも寒風が吹き込みそう。
関東農政局は、全国的に流通し消費量が多い「指定野菜」14品目について、11月の東京都中央卸売市場での入荷量と価格を見通した。同市場内にある卸売会社が、指定野菜の出荷量と価格を推測。平年と比べて9品目の入荷量が1~2割減り、8品目の価格も同程度上昇すると見込んだ。多くの品目で、台風24号による塩害や強風で、葉の傷みや生育遅れが生じたことなどが要因という。
ハクサイは、出荷量の増加が見込まれるものの、需要拡大を見越して平年を上回る価格になると予測した。
千葉県産ダイコンとニンジンが、同市場11月分の入荷量の5割以上を占める。いずれも塩害による品質低下が影響し、千葉県からの出荷量は平年より劣るという。また、夏の猛暑でトマトの生育が遅れたり、ネギが平年より細くなったりした。
千葉市地方卸売市場でも、塩害による入荷量への影響があり、ダイコンの価格が1~2割上昇する見通し。9月に雨が続いた影響で、一回り小ぶりなキャベツも目立つ。ニンジンは入荷が安定するのに1週間~10日遅れるという。
ただ10月以降、天候が回復し多くの野菜の生育が安定したとして、11月後半から価格は下がる見通し。同市場の千葉青果株式会社の担当者は「台風24号の時は心配だったが、どうにか安定しそう。消費者には安心してほしい」と話した。
千葉県内野菜の販売促進へ、県と県JAグループは6日に、東京都中央卸売市場大田市場の「出陣式」に参加し、本県産野菜を使ったスープを提供し、市場関係者に売り込む予定。